【クマーリ(マレーシア)】
今尼崎が古い町でかつ、公害地帯が住居地帯にとても近いということがわかりました。だから、公害患者が増えたのでしょう。このことに関しては、とても悲しいと思います。結局、このような所に住まなければならなかったのは、貧困層であると言えます。ですから、こういう所を再生していくのは素晴らしいことだと思います。
緑のバッファーゾーン(緑の緩衝帯)を増やすことで住民は安心して暮らせると思う。わが国では工業化は新しいことであり、住居地帯は工業地帯から離れた所にあります。それでも、公害の患者はかなり発生しています。尼崎のケースほどではないですが。
結局、そういう所に住まなければならなかった人がいることを認識することは、私にとってこの見学は意味があった。わが国に戻って良い教訓になったと思う。素晴らしいお仕事をしているので、今後も続けていきたいと思っていただきたい。
【李 侑峰(韓国)】
調べようと思えば色々資料はあるが、本やインターネットでは得られないことを、見たり発見できたりしたことを嬉しく思っております。一番重要なことは、産業地帯、工業地帯と自然な地域が共生できるということ、共存できる事実は、一番大事だと思う。そのような観点から考えると、希望が持てる感覚を持ちました。持続可能な開発や経済などを考えると今回学んだことが大切になってくるのではないかと思います。
【劉湘(中国)】
現在、中国では都市にあった工業部が郊外に移転している。そうすることで、都市住民 と工業地域の分離をしている。この時に困るのは広大な土地が必要ということ。移転に関しては、国がしっかりと審査し許可する必要がある。今日見た尼崎の状況は、工業が集中している状況で住宅地も密集している。これを分離することはなかなか難しいだろう。工業地域と住宅地が近いことは印象的である。
【藤江徹(大阪)】
現場に行ってもらうのは、国内外とわず重要。尼崎の国道43号線の歩道橋の上は揺れるとか、音などを聞いてもらうとか、道路の前に家があるという状態は見て体験しないとわからない。
JICAなど色々なプログラムで来てもらうので、そこでは技術的なことなのか、制度的なことなのか、患者さんのことなのか、ニーズに合わせて資料やプログラムの準備を行う。
また、色々な国の方が来られるので、ディスカッションの場をきちんと設ける。それは自分の勉強にもなる。インターンやバイトも含めて色々な人が関わり考えてもらうことが大事。
【榊枝正史(四日市)】
尼崎の場合は、大きなまちづくりの中で、そういうプロジェクトを位置づけらて実施していますが、四日市では単発で環境だけとなっている。広がりを出さないといけないのかなと反省しました。
また、四日市では市民の中に公害のイメージを無くしたいというのが強く、ある団体が水俣に学んで観光都市にしようといった講座をやると二千人ぐらいの参加者があるけれども、我々が公害環境市民学校などを実施してもあまり集まらない。そこをうまくやればいいのでしょうが、なかなか難しい。
【難波田隆雄(倉敷)】
受け入れて、ガイドをしていく上で、ベースになるものがあってそれプラス話すガイドの個性があるというはいいことだと思う。下調べし、時間をかけて作られたと思うのですが、水島はその辺が無い。多分、私と別の者では違うガイドをしている。まずはベースがあってプラス個人の個性が出ていくようなのがいい。ガイドを通じて10年の重みなどを感じられた。
【塩飽敏史(倉敷)】
私が、水島で体験ツアーを開催した時に印象に残ったのは、地元の人が説明することのインパクトの強さ。漁業体験などしていると、漁師の方と大学の先生が解説をするのでは全然違う。水島では今日のように船に乗ってコンビナートを海から見たり、山から見たりと、普段と違う視点で、公害という視点も含めて、見てもらうということをしている。
【尾崎寛直(川崎)】
他の公害地域で言えば、水俣の教育旅行は有名で、公害の現場を巡り、語り部の話を聞いたりするツアーを組織的にやっています。それは、トータルで受け入れていて、一日あたりでいくらということで、朝から始まり、昼食は地元の企業と提携して地元の物を使った食事を用意するとか、地元の料理屋に案内するなどして、午後からまた各所を巡る。旅行を請け負うNPOはそういう所で多少はリベートを取っていると思う。尼崎の場合は特に色々美味しい隠れた名店とかを発掘されているので、公害のツアーと地元の名店と、セットにして、地元にお金を落とすし、かつ多少リベートも受け取るといったことができるのではないか。
【溝口隼平(名古屋)】
行政の方や現地で説明してくれる方の誇らしげな表情が印象的でした。10年間の活動の中で築いてきた関係や、尼崎市が再生するのだとみんなが共有されている感覚は独特であった。それを名古屋でも、どう醸すのか働きかけの仕掛けを学ばなければならない。同時にしたいと思ったのは、尼崎を食べるとか名古屋を食べるという企画で、胃袋直結の楽しいものを企画していく可能性を印象深く見ていました。
【寺西俊一】
現場のもつ、教育力というのか、現場主義は重要。現場の持つ力、そうした場を提供しているのだから、限られた時間でどういう現場を回りるのかというアレンジ力、企画力が鍵だと思う。
これだけかつての公害地域の若い人がお互い意見交流して、今後どうしたら良くなるのか、意見交換しているのは大事なことだと思います。
【大久保規子】
こういうツアーをつくる際には目的が重要だと思います。賑わいを作りたいなら商店街を回り、運河をクルージングし楽しむ中で公害について触れる。といったすそ野を広げていくツアーもありますし、研究者や環境教育用にいっぱい見たいというのはあると思う。目的を分けないと難しいと思う。
予習が無いと意味をわかってもらうのは難しい。地域の予習があり復習の振り返りがあると長いツアーになるのではないか。
大学などでは、先に値段が分かるといい。
Q. 日本の観光ツアーではなく公害体験学習ツアーや工場の中を見たり環境についての話を聞いたり、交流したりすることに需要があるのか、海外からの参加希望者はどのくらいありますか。
| A. | クマーリ: (マレーシア) |
どのような人を対象とするのかではないか。私はとても興味がある。一般の方はどうでしょうかね。NGOのスタッフとか各市町村の行政の方ですとか大学生とかターゲットを絞ったほうがいよいのではないでしょうか。とても具体的なターゲットを絞るべきです。 自然を体験するといったエコツアーなら、もう少しいけるのではないか。これは、産業地帯ツアーですからね。 |
|---|---|---|
| 李: (韓国) |
教育的な目的があればいいのではないか。小・中・高・大学生とちゃんと目的を持ってやればいい。結局、心の持ち方を変えるのが重要だと思う。情報も少数の人に限られても仕方ないので、できるだけ大人数に同じ情報を分けるのが大事。このようなツアーがビジネスとしていけるのかはわかりません。全然不可能とは思いません。 成り立つかはどうかとしても対象ということはありますが、対象を絞るのも手だと思う。来ない人に対して公害を知ってもらうことも大事で難しい。 | |
| クマーリ: (マレーシア) |
とにかく、私の国の例を申しますと、もっと教育されないといけないと立ち返ることができる。いっそのこと企業向けにしたらどうでしょうか?環境に配慮した技術を使った操業は関心が高いので企業関係者に宣伝したらどうだろうか。 | |
| 劉: (中国) |
とりあえず需要はあるだろう。難しいのは特に中国の政府系の人は、国内の都市に公害があることを認めたがらない。そのような人が日本に来て公害を学び、その教訓を持って帰ることは成り立ちにくいところもある。 |