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海外との交流・情報発信

公害・環境問題と日本の弁護士

弁護士 藤原猛爾
  • 日本の弁護士制度と役割
  • 日本の弁護士は、日本弁護士連合会および地方裁判所の所在地ごとに設置されている弁護士会の弁護士名簿に登録されることにより資格を有する。現在、日本には15,500人の弁護士がいる。

    日本の弁護士は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とし、この使命を果たすために、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持および法律制度の改善に努めなければならないと法律で定められている。また、個々の弁護士が属する弁護士会は、法人格を有する団体で、個々の弁護士と同様の使命を負って活動をしている。

  • 公害・環境問題における弁護士の役割
  • 公害による被害を救済し、公害を予防し、より良い環境を保全し創造していくことは、間が人間らしく生きていくためには不可欠の課題である。

    日本では、戦前戦後の産業振興政策、それにつづく1960年代からの高度経済成長政策が展開される中で、水や大気の汚染などによる公害が拡大し、各地で深刻な被害を多く発生させ、また自然環境もいちじるしく破壊されてきた。

    このような状況のなかで、弁護士は、公害・環境問題を人権問題としてとらえて行動をとるようになった。深刻な公害被害者を救済し、公害を防止し、環境を保全していくことは、弁護士に課せられた社会的使命であった。

    このような立場から、個々の弁護士は、人権をまもることを責務とする法律家として、公害による被害者と連帯し、多くの分野の科学者と協力して、公害発正源を確定し、公害発生源からの汚染物質と被害との因果関係を解明し、その上で公害発生の原因者となった企業や国の賠償責任を明確にする活動をしてきた。

    このような弁護士の活動は、複数の弁護士で構成する弁護団によって実践され、まず公害被害者の救済を目的とした。この活動は主として裁判手続のなかで行なわれたが、弁護士の活動領域は、次第に被害住民の人権意識の高揚や被害の実態を広く内外に訴え、世論を背景とした問題解決をもとめる作業へと拡大した。公害根絶を図るために、国・地方自治体による立法や行政の改善を要求していくことも弁護士の活動領域になった。

  • 公害・環境問題と弁護士会の活動
  • 公害・環境問題は、社会的、政治的課題でもある。問題の解決には、行政・立法作用による実効性のある立法や行政による全体としての解決策が必要である。このような要請から弁護士会は、公害・環境問題を採り上げるようになり、独自の調査,研究をふまえた制度改善や立法の提案を立法府や行政法に対し行なうようになった。ただし、弁護士会の活動は、個々の弁護士や弁護団が行なう個別のケースについての活動と違い、個々のケースについての活動と違い、個々のケースに直接関与するものではない。また、弁護士会の活動は、被害者・加害者からも独立しており、公正かつ中立的な立場に立って人権擁護の実現を追求するものである。

    現在の日本の状況においても、弁護士、弁護士会の公害・環境問題分野での活動に対する国民の要請は強く、その必要性もますます大きくなってきている。

全国公害患者の会連合会
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