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公害経験から環境再生へ

各地の取り組み

四日市

四日市公害の過去と現在

四日市は、コンビナートが誘致され操業が開始された1960年頃から、人々の命まで奪う深刻な「四日市せんぞく」と呼ばれる呼吸器系疾患を中心に悪臭・振動・騒音公害、水質汚染による臭い魚の問題、四日市港内の重金属汚染問題、廃棄物の投棄問題、コンビナートの爆発事故による火災・有害物質の漏洩問題、海岸線の埋め立てによる自然環境破壊など、多くの環境汚染により人間の生命や財産を奪い、地域社会の人間関係や文化が破壊されてきました。
四日市公害訴訟の勝訴判決が下されてから、30数年の月日が経過しましたが、依然として廃棄物の不法投棄問題などをはじめフロー型お公害は生じていますし、コンビナートの敷地内の土壌汚染が深刻であることも近年明らかになってきています。また、現在も認定患者が4百数十名いらっしゃいますが、公害患者の福祉・医療面での十分な支援がなされておらず、老朽化したコンビナート施設は地震などの自然災害によって、爆発や有害物質の漏洩の危険性が指摘されています。公害の発生によって、破壊された地域内での人間関係や差別の問題は残されています。

四日市再生「公害市民塾」の設立と活動

四日市再生「公害市民塾」は、四日市で繰り返される公害問題の解決と四日市公害によって被害を受けた人々の思いや体験を伝えることを目的に設立されました。主な活動は、公害資料の保存活動や四日市公害資料館建設運動、連続で開催している学習会、四日市公害の現状や諸問題を議論する市民塾例会を開催しています。毎年、小学生5年生の社会科見学を受け入れていますが、活動も今年で10年を迎え、毎年数百名の生徒に四日市公害の教訓を伝えています。また、公害裁判では被告企業となった石原産業と定期的な協議会を持ち、公害防止対策などを議論する試みが2008年から開始されました。
今後の活動予定は、四日市公害の資料を保存、活用するための人材を養成するためのプログラム作りや資料館建設運動を継続的に行うことです。多くの市民の参加の下、四日市公害の経験が少しでも四日市の公害防止、市民生活へ活かされるように活動の質と幅を広げていきたいと考えています。


四日市公害の語り部
四日市公害の語り部
四日市公害を次世代へ伝える試みが行われています。
写真は、公害学習の資料を作るために、公害被害地域の歴史と現在を映像に残す作業の様子です。

四日市公害、克服への道

四日市では、「公害を克服した」「公害は終結した」と言われてきました。四日市市は快適環境都市を宣言し、市の広報を行うポスターではコンビナートと市内で生息する蛍を共演させ、積極的に公害のイメージを払拭しようとしています。
しかし、客観的に報道される事実を見えても現在も公害は繰り返されていますし、今も公害認定患者がいらっしゃいます。コンビナート企業や行政の公害対策などの努力は否定しません、むしろ評価していますが、解決されていない問題は、真摯に事実を受け止め、対策を講じるべきです。そのためには、今何が解決されていないのか、もう一度、公害認定患者、市民、NPO、企業、行政が同じでテーブルにつき、議論することから始めたいと考えます。

全国公害患者の会連合会
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